素直な気持ちが言えたとき
午後の授業が終わって私はいつものように教室で音楽を聴きながらのんびり。



俊はバスケット部で部活に行った。いつも一緒に帰るため教室で時間を潰す。



そうだ、確か俊は五時間目の社会の授業寝ていたな。ノートも書いていないだろうし、代わりに書いておこう。



俊の席に座り、ノートを出して書き始める。自分のノートよりもカラフルに仕上げていく。



ついでに俊が書いたページをチェックする。



はるか『ん?これ漢字間違ってんじゃん。』



間違った漢字を丸で囲み下に正しい漢字を書く。これを見た俊の反応はどんなかな?



時々代わりにノートを書いている私、こんな時間が結構好きだったりする。



太陽が落ちてきて少し夕焼け模様、涼しげなこの景色が落ち着く。



そろそろ俊の部活が終わる頃。いつも俊から電話が来るころだ。



携帯が鳴った。この着メロは俊が決めたやつ。『このバンドいいぜ!オレの着メロにしといて!』とか言って勝手にセットしちゃったやつのまんま。



俊『はるか?まだ教室いる?』



はるか『いるよー』



俊『…どうしようかな?』



はるか『ん?どうしたの?』



俊『あ、ほらあの一年生、一緒に帰るってまってたんよ。』



…そうだった。いつもの癖で待っていたけど、俊はあの子と帰るんだった。



はるか『…一緒に帰りなよ。約束したでしょ?私は忘れ物取りに来ただけだよ。』



俊『あれ?そうなん?待ってたかと思ってたわ。』



はるか『私も暇じゃないよ。いろいろあるんだからね。』



少しイライラして言葉が悪くなる。



俊『あーそっか、つーかさーオレ緊張しちゃいそうでさ、三人で帰らね?』



はるか『だから忙しいっていってるでしょ!』



そして勢いで携帯を切ってしまった。息が荒くなる。なんで?どうしてこうなるの?こんなの望んでないのに…
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