心も体も、寒いなら抱いてやる
「がんみたい。早期発見だから大丈夫だって言っていたけど、ただでさえお父さんとお母さんの離婚問題で落ち込んでいたところにお母さんのがんが見つかるなんて。お母さんから太一君には離婚の話を、お父さんにはお母さんががんになったことをまだ言わないでくれって頼まれたらしくてさ、黙っているのもつらいみたい。それでこれからは治療費も学費もかかるから頑張ってバイトしなくちゃって、居酒屋でもバイト始めてさ。いつだって一人で抱え込んじゃうんだから。だからさ、みのりに意地悪しないでね」
「してないよ」
「それにしても俊が他人を気に掛けるのなんて久しぶりね。そうだ、みのり、もうひとつ気にしてた。『俊君は太一のこと恨んでるのかな』って」
「してないよ」
「それにしても俊が他人を気に掛けるのなんて久しぶりね。そうだ、みのり、もうひとつ気にしてた。『俊君は太一のこと恨んでるのかな』って」