心も体も、寒いなら抱いてやる

翌朝、みのりが家を出て数歩歩き出すと、音もなくすっとアイスブルーの車が通り過ぎ止まった。

俊の車と同じだ、と思ったら俊が窓から顔をだしたのでびっくりした。

まだ6時50分だ。

「どうしたの? こんなに早く。もしかしてスケジュール変更?」

「乗って」と、首を軽く振って助手席を指す。

「でも、私これから病院に行くんだけど」という声には反応せず、「早く乗って」と繰り返す。

なんだかよくわからないまま、みのりはあわてて助手席に乗り込んだ。

いつにも増して機嫌が悪そうだ。

「えーっと……もしや何か怒っているとか」

「どこ?」

「え?」

「どこの病院?」

「あ、北山総合病院だけど――」

俊はカーナビを北山総合病院にセットして車を出した。
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