心も体も、寒いなら抱いてやる
ロケ地からホテルまで真っ暗な山の中を走ってきたので予想外に時間がかかり、部屋の時計の針は7時に間もなく到着するところだ。

海辺にいたので体も顔もべたついている。

シャワーを浴びて支度する時間はあるだろうかと考える。

とりあえず洗面所で手を洗っているとスマホの呼び出し音が響いた。

慌てて石鹸を洗い流して手を拭いてスマホをとったときには電話が切れていて、メッセージが録音されていた。

「あれ、太一からだ」

着信表示を見て、みのりはすぐにメッセージを再生する。

「あ、俺……バイクで事故った……病院に……」

言葉が途中できれて終わったメッセージ。

慌ててコールバックしたが電話は通じない。
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