心も体も、寒いなら抱いてやる
「大丈夫です。もし困った時にはすぐに連絡しますから」と俊が言うと支配人は、ちょっとほっとしたようだが、それでも「申し訳ありません」と、本当に恐縮するくらい申し訳なさそうな顔をして謝った。

「こちらこそご迷惑をおかけして。それじゃあちょっと見てきます。あ、すみません部屋のバスタオルもお借りしていきます」


荷物を車の助手席に投げ込み、支配人に見送られて俊は車を出した。

強さを増した雨がフロントガラスに打ち付け、前が見えない。

街灯のない山道は本当に真っ暗で、車のライトだけが頼りだ。

脇道をも見逃さないようゆっくりと進む。
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