心も体も、寒いなら抱いてやる
みのりの名前を呼びながら道を下って行く。

でもその声は雨音にすぐにかき消されてしまう。

名前を呼ぶたびに吐く息が白く浮かび、時間が経つごとに冷えた空気が体に突き刺さる。

少し行くとさらに道が険しくなってきた。

雨で地面もぬかり、傘と懐中電灯を両方持ち続けて歩くのが難しくなってきたので、俊は傘を閉じて、道の脇に置いて歩くことにした。

横道がまたひとつ。

ここが間違えて歩けば行き止まりになる道だろう。

でも、行き止まりなら多分すぐに戻ってくるはずだ。

となるとこの先の横道に入った可能性が高い―――。

俊は最初の横道はスルーし、そのまま道をくだった。

懐中電灯を持つ手がかじかんでくる。
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