心も体も、寒いなら抱いてやる
上を向く。真っ暗な空から次から次へと雨が降り注ぐ。

誰もいなくて、誰も私がここにいることを知らない。

まさか太一に会う前に私が死んじゃうのかしら。

どうしよう。

太一のところに早く行かなくちゃ。

こんなところで転んでる場合じゃないのに。

早く行かなきゃ。

みのりは足を引きずり、必死で上に登ろうと足を動かす。

でも体は動かない。

どうしていいかわからず、もう何もかもがうまくいかないままに、家族にも俊にも迷惑をかけたまま、ここで私は終わってしまうのだろうか―――そんなことを考えて、寒くて寒くて体を丸めているうちに、みのりの意識は遠のいていった。


「おい、みのり、みのり」

体を揺さぶられて、みのりはうっすらと目を開けた。

合羽をかぶった男の顔が飛び込んできて、腕をつかまれていると認識した途端、足の痛みも忘れて恐怖で立ち上がり、そしてまたすぐに転んだ。

「やめて……」
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