心も体も、寒いなら抱いてやる
太一は大丈夫だから。打撲の軽傷だっていつも通り元気な声で連絡があったから」と抱きしめたまま言うと、「本当?」と、みのりが首をひねって俊を見上げた。

突然の至近距離。

「本当だよ」

俊はもう一度みのりを強く抱きしめてから体を離し、そのときみのりの右腕が着れていることに気が付いた。

「ハンカチ持ってる?」

みのりはバッグの中からハンカチを取り出して俊に渡した。

そのハンカチで傷口を結んで止血し、「死なないうちに帰ろう」と、自分の合羽を脱いでみのりに着せた。

足をくじいたみのりの肩を抱きながらゆっくりと来た道を道を登って行く。

途中で転げていた靴も回収して、ひどい姿になりながらも2人は無事にホテルに戻った。
< 184 / 209 >

この作品をシェア

pagetop