心も体も、寒いなら抱いてやる
時間は11時になっていた。

フロントマンと支配人はみのりの泥だけでケガを負った様子を見るとびっくりし、「それでも無事に見つかって本当によかった」と、ホッとした顔になった。

みのりを部屋に連れて行き、切れた腕を見ると傷は浅かったようで血は止まっていた。

10分ほどでホテルの人が救急道具と湿布を用意して持ってきてくれた。

「いかがですか? 何かほかに御用がございましたらいつでもご連絡くださいね」と、若いホテルマンが心配そうに言う。

みのりの代わりに「有難うございます。いろいろとすみません」と俊が対応すると、みのりもベッドから立ち上がって「本当にご迷惑をおかけしてすみません」と謝った。

「さてと」

ホテルマンが去った後、俊は太一に電話をかけて、「みのり、無事確保」とだけ言って、スマホをみのりに渡した。
< 185 / 209 >

この作品をシェア

pagetop