琥珀の記憶 雨の痛み
「ユウくん」
呼びかけながら、近づく。
彩乃ちゃんはぴったりと背中に隠れるようにして着いてきた。
緊張なのか恐怖なのか、私のバッグの持ち手の付け根あたりをぎゅっと握りしめている。
「はあ?」
と、ユウくんは面倒くさそうに顔を上げる。
ちょうど取り出したところだった煙草をくわえて、火を点ける動作は止めないまま。
事前に同年代と聞かされていた彼が堂々と煙草を吸うところを見たせいか、後ろの彩乃ちゃんがさらに動揺したのが気配で分かった。
しまったな、と思う。
先に教えてあげておけば良かった。
よく考えたら、私がここに来た当初、ユウくん以外のみんなは喫煙を隠していた。
私に遠慮して、気を遣ってだ。
今度も、ユウくんが現れるまで誰も煙草を取り出そうとしなかったのは、そうなのかもしれない。
そしてユウくんは、新入りに遠慮してみんながいつも通りに振るまえなくなることをすごく嫌っていた。
「この子、新しくレジに入った高校生。なんか困ってたら助けてあげてね、先輩」
彩乃ちゃんには、後でフォローしておこう。
とりあえずは面通しだ。
「ほら、自己紹介して」
と、背中に隠れていた彼女を、ユウくんの前に立つように押し出す。
びくつきながら前に出た彼女に、ユウくんは冷たい一瞥を放った。
呼びかけながら、近づく。
彩乃ちゃんはぴったりと背中に隠れるようにして着いてきた。
緊張なのか恐怖なのか、私のバッグの持ち手の付け根あたりをぎゅっと握りしめている。
「はあ?」
と、ユウくんは面倒くさそうに顔を上げる。
ちょうど取り出したところだった煙草をくわえて、火を点ける動作は止めないまま。
事前に同年代と聞かされていた彼が堂々と煙草を吸うところを見たせいか、後ろの彩乃ちゃんがさらに動揺したのが気配で分かった。
しまったな、と思う。
先に教えてあげておけば良かった。
よく考えたら、私がここに来た当初、ユウくん以外のみんなは喫煙を隠していた。
私に遠慮して、気を遣ってだ。
今度も、ユウくんが現れるまで誰も煙草を取り出そうとしなかったのは、そうなのかもしれない。
そしてユウくんは、新入りに遠慮してみんながいつも通りに振るまえなくなることをすごく嫌っていた。
「この子、新しくレジに入った高校生。なんか困ってたら助けてあげてね、先輩」
彩乃ちゃんには、後でフォローしておこう。
とりあえずは面通しだ。
「ほら、自己紹介して」
と、背中に隠れていた彼女を、ユウくんの前に立つように押し出す。
びくつきながら前に出た彼女に、ユウくんは冷たい一瞥を放った。