琥珀の記憶 雨の痛み
「ナツがさ。莉緒とユウのこと、やたらと気にしてて……莉緒は別に俺を避けてるわけじゃなくて、ユウともっと近付きたいんじゃないかって」
あ……。
告げ口みたいで気まずいからか、斜め上に視線を泳がせたまま尚吾くんがそう言ったのを聞いて、ハッとした。
ナツは多分、そうだといいな、くらいには思っている。
私がユウくんのこと、好きだと。
否定したつもりだけど、あの時興奮してたナツには、聞く耳なさそうだったし。
だからもしかしたら、本当にそうだと思い込んでいるのかも知れない。
さり気なくそういう気配を周りに伝えて、彼女としては私の恋に協力してくれてるつもり、なのかもしれない。
だとしたら――、それなのに私がしていることは、一体何なんだろう。
こんな風にこそこそと、ナツの好きな人と並んで帰っている私は……。
「だから俺、最近の莉緒とユウ見てたら余計に勘ぐってヤキモチ妬いた」
ヤキモチ、なんて私を動揺させる言葉を、彼は照れ隠しと冗談の混じったような軽い口調で笑いながら言って、ぺろりと小さく舌を出した。
気持ちばかりが揺さぶられて、考えは全然まとまらない。
「わた、し、別に、ユウくんのことは――」
「ん。だから、ごめん」
もう分かった、とでも言うように、彼は私の言葉を遮った。
「ナツがそう思ってただけなんだろうな。俺、莉緒とナツの間でそういう話してたのかと思い込んで真に受けてた」
あ……。
告げ口みたいで気まずいからか、斜め上に視線を泳がせたまま尚吾くんがそう言ったのを聞いて、ハッとした。
ナツは多分、そうだといいな、くらいには思っている。
私がユウくんのこと、好きだと。
否定したつもりだけど、あの時興奮してたナツには、聞く耳なさそうだったし。
だからもしかしたら、本当にそうだと思い込んでいるのかも知れない。
さり気なくそういう気配を周りに伝えて、彼女としては私の恋に協力してくれてるつもり、なのかもしれない。
だとしたら――、それなのに私がしていることは、一体何なんだろう。
こんな風にこそこそと、ナツの好きな人と並んで帰っている私は……。
「だから俺、最近の莉緒とユウ見てたら余計に勘ぐってヤキモチ妬いた」
ヤキモチ、なんて私を動揺させる言葉を、彼は照れ隠しと冗談の混じったような軽い口調で笑いながら言って、ぺろりと小さく舌を出した。
気持ちばかりが揺さぶられて、考えは全然まとまらない。
「わた、し、別に、ユウくんのことは――」
「ん。だから、ごめん」
もう分かった、とでも言うように、彼は私の言葉を遮った。
「ナツがそう思ってただけなんだろうな。俺、莉緒とナツの間でそういう話してたのかと思い込んで真に受けてた」