琥珀の記憶 雨の痛み
公園脇の抜け道を過ぎると、少しだけ線路沿いを歩く。
バイト先と学校を繋いでいるローカル線の方の線路だ。
この時間帯電車は1時間に2本くらいしかなくて、だから、線路沿いを歩く短い間に電車が横を通過していくことは稀だった。
珍しく横を走り抜けていった電車は4両編成。
車両の全長は短いけど、駅同士が近いためあまりスピードを出さない区間だから、のんびりと過ぎて行った。
なんとはなしにその電車を目で追う。
ターミナル駅を出たばかりの車内は、どこかへ遊びに出掛けた帰りなのだろう若い人の集団や親子連れ、日曜でも仕事なのかスーツ姿の大人やらで、そこそこ混雑していた。
これが、一駅通過するごとに減って閑散としていく。
みんな家に帰るところなのだ。
他人の日常のひとコマを覗き見た、気分だった。
自分が妙に非日常的なコマの中にいるせいか、明るい車内にいる人達が随分のんきそうに見えた。
短い電車が通り抜けた後の風は、すぐにおさまる。
車両はスピードを落とし、少し先に見えているひとつめの駅に吸い込まれて止まった。
湿度が高いせいか、ホームのアナウンスはこもったように反響してここまで届いた。
何を言っているのかは、よく分からないけど。
その駅の手前に小さな踏切がある。
これから私たちが渡るやつだ。
警報機が止んで遮断機が開くけど、待ってる人は誰もいなかった。
電灯で照らされた踏切は、その一角だけがオレンジ色に浮かび上がっていて綺麗だ。
まるで大きなシャボンに包まれた、違う世界みたいだ。
あの中に入った私たちの絵を、外から見てみたいと思った。
出来るわけ、ないのだけど。
バイト先と学校を繋いでいるローカル線の方の線路だ。
この時間帯電車は1時間に2本くらいしかなくて、だから、線路沿いを歩く短い間に電車が横を通過していくことは稀だった。
珍しく横を走り抜けていった電車は4両編成。
車両の全長は短いけど、駅同士が近いためあまりスピードを出さない区間だから、のんびりと過ぎて行った。
なんとはなしにその電車を目で追う。
ターミナル駅を出たばかりの車内は、どこかへ遊びに出掛けた帰りなのだろう若い人の集団や親子連れ、日曜でも仕事なのかスーツ姿の大人やらで、そこそこ混雑していた。
これが、一駅通過するごとに減って閑散としていく。
みんな家に帰るところなのだ。
他人の日常のひとコマを覗き見た、気分だった。
自分が妙に非日常的なコマの中にいるせいか、明るい車内にいる人達が随分のんきそうに見えた。
短い電車が通り抜けた後の風は、すぐにおさまる。
車両はスピードを落とし、少し先に見えているひとつめの駅に吸い込まれて止まった。
湿度が高いせいか、ホームのアナウンスはこもったように反響してここまで届いた。
何を言っているのかは、よく分からないけど。
その駅の手前に小さな踏切がある。
これから私たちが渡るやつだ。
警報機が止んで遮断機が開くけど、待ってる人は誰もいなかった。
電灯で照らされた踏切は、その一角だけがオレンジ色に浮かび上がっていて綺麗だ。
まるで大きなシャボンに包まれた、違う世界みたいだ。
あの中に入った私たちの絵を、外から見てみたいと思った。
出来るわけ、ないのだけど。