琥珀の記憶 雨の痛み
大雨の中、出口の前でうろうろしながら、いつ出てくるかも分からないのに好きでもない人を待っているのは、よくよく考えると変な感じだ。
最近はユウくんの仕事が終わるのも遅いみたいだし、やっぱりこんなことしてないで雨の当たらないコンビニかどこかに行こうかな。
――と思い直した頃に、彼は出てきた。
「……に、やってんのお前」
「あれ、意外と早かったね」
雨の中1人で突っ立っていた私に、ユウくんは少し驚いたみたいで。
いつもならみんながお疲れと声をかけても半分シカトしながらまずは定位置に腰を下ろすクセに、今日は呆然とした顔で、ユウくんの方から話しかけてきた。
「普通だろ。このところ遅すぎただけだ」
面倒くさそうな答えが返ってくる。
案の定傘は持たずに出てきたユウくんの動きに合わせて、私は傘を傾けた。
「忙しそうだったねー。試験の準備?」
社員試験が近いのだろうと予想はしていたので、そんなことを言いながら。
当たり前に彼の定位置に向かおうとしていた私に、ユウくんは一瞬ポカンとしたような顔をした。
「……座らないの?」
何故かいつもの場所に座ろうとせずに彼が立ち尽くしたから、首を傾げたら。
ユウくんは無言で、駐輪場の屋根下の方を顎でしゃくった。
珍しいことに、雨を避けようとしてる?
これには驚いたけれど、その方が私も助かるから、促されるままに2人で屋根下に向かった。
最近はユウくんの仕事が終わるのも遅いみたいだし、やっぱりこんなことしてないで雨の当たらないコンビニかどこかに行こうかな。
――と思い直した頃に、彼は出てきた。
「……に、やってんのお前」
「あれ、意外と早かったね」
雨の中1人で突っ立っていた私に、ユウくんは少し驚いたみたいで。
いつもならみんながお疲れと声をかけても半分シカトしながらまずは定位置に腰を下ろすクセに、今日は呆然とした顔で、ユウくんの方から話しかけてきた。
「普通だろ。このところ遅すぎただけだ」
面倒くさそうな答えが返ってくる。
案の定傘は持たずに出てきたユウくんの動きに合わせて、私は傘を傾けた。
「忙しそうだったねー。試験の準備?」
社員試験が近いのだろうと予想はしていたので、そんなことを言いながら。
当たり前に彼の定位置に向かおうとしていた私に、ユウくんは一瞬ポカンとしたような顔をした。
「……座らないの?」
何故かいつもの場所に座ろうとせずに彼が立ち尽くしたから、首を傾げたら。
ユウくんは無言で、駐輪場の屋根下の方を顎でしゃくった。
珍しいことに、雨を避けようとしてる?
これには驚いたけれど、その方が私も助かるから、促されるままに2人で屋根下に向かった。