臆病者の鬼遊び
怪我……と言うのが適切な表現かは分からないが、とりあえず七海子は頷いてこう付け加えた。
「あの……小さい頃に、事故に遭ったんです。
怪我自体はもう治ってるけど、それ以来、うまく歩けなくって……」
手を離して貰い、七海子は何歩か歩いてみせた。
片足をちょっと不器用そうに動かす足取りを見ると、倫太郎ははっとしたような顔になり、
それからすこし傷付いたように、数秒俯いた。
「……悪かった」
「え、何が?」
足の事でからかわれたりするのには慣れていたので、七海子はへっちゃらだったが、
倫太郎はそうではないようだった。
彼は、予想だにしない行動に出た。