臆病者の鬼遊び
「……負ぶってく」
「は?」
彼は、驚いて固まっている七海子を強引に引き寄せると、さっさと躊躇せずに負ぶってしまった。
「のわああああ!」
「耳元で大きな声を出すな!」
「だって、だって!」
「わたわた動くな、走れないだろうが!」
一喝されてしまった。
仕方なく、大人しくしていると、やっと倫太郎は満足したように走り始めた。
……道行く人の視線が痛い。
皆、怪訝そうにしている。
中には、七海子が熱中症を起こしたものと勘違いして、「大丈夫?」と言ってくれた人もいたが、今はただ、恥ずかしいばかりだった。