想い焦がれるのは。

「ただいま。」
「おかえり千尋。今日は珍しく遅かったじゃない。何かあったの?」

出迎えてくれたのは私のお母さん、浅利 佑花(アサリ ユウカ)40歳。
私が言うのもあれだけど、お母さんは若い。おまけに童顔だから余計に若く見られて、いつも姉妹だと思われる。

「友達と話してた。」
「あらそうなの・・・って友達?千尋友達できたの?!お父さん!千尋友達できたって!お父さん!」
「そんなに騒ぐことでも・・・」

私の性格のことや友達ができないことを、家族はみんな心配してくれていた。みんなと言っても私はひとりっ子だから、お父さんとお母さんしかいないけど。
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