想い焦がれるのは。

自分の部屋に荷物を置きリビングに行くと、お父さんとお母さんがにこにこしてソファーに座っていた。

「千尋、友達できたんだって?小学生の時以来じゃないか?いやぁ、よかったなぁ!」

お父さんの浅利 和樹(アサリ カズキ)40歳。また私が言うのもあれだけど、お父さんも若い。顔も整ってるので、かっこいい・・・方だと思う。

「うん、小学生以来。私の性格話しても、友達になるって言ってくれたの。すごく嬉しかった。」
「そう・・・優しい子なのね、その子。よかったわね千尋。私も嬉しいわ。」
「俺も安心したよ。よかったな、千尋。」

お父さんもお母さんも、自分のことのように喜んでくれた。いつも私のことを心配してくれていたのは小さい頃から知ってた。

「もう心配しなくてと平気だからね、お母さんもお父さんも。」
「そうね。学校も楽しめそうね。よし!今日は千尋に友達ができたお祝いにご馳走にしましょ!私頑張っちゃう!」
「大袈裟だよ!もう・・・」

お父さんが隣で笑ってたので、つられて笑ってしまった。今日はよく笑う日だ。こんな日が毎日続けばいいな、と心の中でひっそりと思っていた。
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