心の中の彼

社員旅行

社員旅行当日

私は彼が迎えに来て

新幹線乗り場へ向かった。

彼から告白されてから

私は少しずつかずきへの気持ちに
整理をつけ始めてた。

新幹線の中で

駅弁皆で食べて

あっという間に京都についた。

京都に着くと

私は同僚と観光巡りをした。

彼は幹部の人達に同席した。

旅館に着くと

一気に疲れが増し

私はそのまま深い眠りについた。
「美香美香」

かずきの呼んでる声に

目を開けると彼が目の前にいた。
「美香大丈夫?
お腹すいてないか?」

「あっあたし
寝ちゃったんだ」

「美香を起こしたけど
起きなかった言ってた」

「かなり歩いたから
疲れたのかも」

「ともかく宴会場から
持って来たから食べな」

「エッ」

テーブルに料理が並べてあり

私は驚いた。

「持って来てくれたの」

「アハハ運ぶの大変だったわマジ」
私はお腹すいてたから完食した。
「そろそろメインイベント
行きますか」

と手を差し出され

彼の手を握る。

「夜景見に行こう」

それから私は

彼と夜景見に行った

彼は本当に私といるときは

かずきの話を聞いてくれた。

夜景見ながら

「彼もきっと
美香の隣で夜景見てるよ」

といきなり言われ

「ななんでそんなこと言うの」

と慌てて聞くと

「俺と見たい夜景じゃないの
分かってるから
美香の中の彼氏には
勝てないな一生アハハ」

私は何も答えられなかった。

「皆に見つかると厄介だから
戻るぞ」

私は彼の裾を掴み

「帰りたくない」

と座り込んだ。

「たく美香は子供だな
すねたのかさっきの言葉に」

「だってかずきには
敵わないとか言うから
私なりに少しずつだけど
整理してる最中だもん」

かなりすねて見た。

「分かった
分かった
俺が悪かったからねっ美香」

と彼は私の両頬を包みキスした。
「機嫌直して美香」

余りの必死さに笑ってしまった。
「笑うとかひどくないかぁ」

私は何故か泣き笑いしてた。

「たくっ
泣くか笑うか
どっちかにしろよ」

と頭をこつかれた。

私ははっきり彼に言った。

「かずきの気持ちは
ちゃんと分かってるから
だからかずきも家庭だけは
大切にしてね」

しばらく彼は沈黙した。

「分かった」

この一言だけ小さく聞こえた。

しばらくして

ホテルに戻ると皆爆睡だった。

私は彼とお休みのキスをして

それぞれの部屋で眠りについた。
次の日の朝食は

普通の社員として挨拶した。

帰りのお土産で

家族の皆にストラップを買い

新幹線に乗った。

最寄りの駅に着き

私は一気に疲れが増し

重い足で家路に着いた。

家に着き携帯を見ると

「近くの公園で待ってる」

私は慌てて公園に向かった。

「ごめんなさいっ
今携帯見てきずいたの
かなり待ったよね」

「待つの楽しかったから
美香に渡したい物あったし」

「渡したい物って」

「これ」

彼の掌にあったのは

ビーズの手作りストラップだった
「えっっ
これ作ったの」

「自作だから
大切にしてくれよな」

私は嬉しくて飛び付いていた。

「ありがとっ
絶対大事にするね」

「分かったから
人に見られちゃうぞ」

私は抱き付いたまま

離れなかった

「ドライブでも行くか
帰りたくなさそうだし美香」

私は笑顔で頷いた。

彼に手をひかれ

車の助手席に乗り

ストラップをつけた。

彼もお揃いでつけていた。

この時私と彼は

残酷な再開とも知らず

幸せにひたっていた。





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