血みどろミドロ
 次の日の朝も目覚めは最悪だった。

 肩あたりに異変を感じてうっすら目を開けると、顔を向ける前に視界の端に見慣れた姿が映った。

 やっぱり駄目だった……

 策が失敗に終わった事よりも、俺は次に取る行動によってもたらされる苦痛の方に軽い絶望感を感じていた。

 貼り付いているという事は引き剝がさないといけない。

 それはつまりまたあの激痛を味わうという事。

 深い溜息を一つ、ためらっていても仕方がないので、俺は気力が削がれない内にミドロに手をかけた。

 ……!

 声にならないほどの激痛。

 昨日よりもより脳に近い位置だったからなのか、痛みは昨日のそれを軽く越えていた。

 あまりの痛みに呼吸が荒くなる。

 何とか自分の肩へと視線を移すと、やはりその部分は壊死したように酷く黒ずんでいた。

 怒りがピークに達した俺は、寝転がった体勢のまま、手にしたミドロを思い切り玄関の方へと投げつけた。

 壁に当たったのか、パキョ、と変な音を立てながら反射して玄関へと吹き飛んでいくミドロ。

 何となく今の音が、鳴き声にも聞こえたような気がして、朝から俺の気分は暗く沈んでいった。
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