好きを百万回。
テーブルの上には飲みかけのカフェオレ。
「今日はちゃんと自分で注文出来たで」
折田さんが胸を張る。
「お待たせしてすみません。大分待たれましたか?」
「ええのや。師走に銀行が忙しいのは道理やからな。こまりちゃんもなんか飲んで一息入れてから行くか?」
「いえ、時間もないし折田さんが良ければこのまま食事に」
「ほうか、ほなそうさしてもらおか」
ゆっくりと折田さんが席を立つ。傍らに置かれたコートを取って折田さんに着せかけた。
「おおきに」
折田さんが目尻を下げる。
食事に向かう道すがら、偉い人なのにわたしの他愛もない話しを一生懸命聞いてくれる。
連れて行かれたのはSホテルの日本料理屋。今日も盛大に高そうだ。
きっと来慣れているのだろう。マネージャーらしき人にすぐに個室に通された。