好きを百万回。
折田さんの後からついて部屋に入ると、そこに既に座っている人がいた。
「結弦、もう着いてたんか」
「15分くらい前に」
お孫さんの方の折田さんが、わたしに気が付き唇の端を上げる。慌てて頭を下げる。
「小娘、突っ立ってないで座れば?」
「あ、はい。失礼します」
返事をしてから困ってしまった。床の間がある上座に折田さん、その向かい側に結弦さんが座る。
まさか上座に座る訳にはいかないよなあ・・・・・。
仕方なしに結弦さんの横に座る。
「結弦、注文はしたんか?」
「ああ、すき焼き頼んだ。小娘、ビールでええか?」
「あ、はい!おまかせします」
「なんや、結弦とこまりちゃんは面識あるんか?」
「こないだ朔に紹介された」
「野波くんに?」