好きを百万回。
ごめんなさい。
わたしの選ぶ道はやっぱり一つしかないの。
自分に降りかかる困難や災難ならいくらだって耐えられる。だけどあなたにはどんな些細な苦しみも受けてほしくない。
ましてやわたしのせいでなんて・・・・・。
眠れない夜は悲しくて長くて、一生分の涙で溺れてしまいそうだった。
入院の支度をして、時計を見る。泣き腫らした顔をタオルで冷やしながら受話器を握る。8時を過ぎたから森崎さんが出勤しているはずだ。
『あおば銀行本店営業部、矢口でございます』
神様は時々意地悪で、今一番声を聞きたくない人が電話を取った。
「おはようございます。木下です」
『あら、朝から何よ』
「森崎さんに代わって」
『昨日の話し、一晩考えてくれた?』
いきなりする話しなのか。不快感が胸いっぱいに広がった。