好きを百万回。


だけどこの時期に朔也さんの悪い噂は絶対にダメだ。何をしでかすか分からない矢口さんと、今銀行で勢いのある矢口常務を敵に回す訳にはいかない。


嫌がらせの止んだロッカーに苦く笑う。

「ほら、止まった」

背後で安堵の混じった声がした。

「ホント。ありがとね、亜弥」

振り返ったわたしの顔を見て亜弥が一瞬息を詰める。

「こまり・・・・・顔色青いの通り越して真っ白。まだ風邪治らへんの?」

「だいぶいいんだけど・・・・・」

2人で連れ立って営業室へ向かう。森崎さんに金曜日にお休みを貰ったことのお礼を言い、仕事の準備を始めた。ロビーの雑誌を整理し伝票を補充していると誰かが横に立つ気配がする。

「おはよ」
機嫌の良さそうな声。今日も完璧なメイク。

「おはよ」
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