好きを百万回。
こぶしを口に当てて、野波さんが耐えられないと言わんばかりに吹き出す。
「野波くん、こまりちゃんをあんまり虐めんといてや。ぼくはすっかりこまりちゃんびいきやからな」
「わかりました」
片手に持っていたコーヒーをテーブルに置いて、わたしの隣の椅子に座る。
「木下さん、こちら折田繊維の会長の折田さん」
え?
折田繊維ってすごい大口取引先で・・・・・。
「すっ・・・・・すいませんっ!わたし折田さんってお聞きしたのに全くわかってなくてーーーーーー!」
慌てて頭を下げる。
「ええのや、こまりちゃん。仕事を離れたらタダのじじいや」
「タダのじじいっていうのはちょっと語弊があるけどね」
野波さん、仕事モードのときとは若干違う。なんだか少しリラックスしているみたいだ。