絆の軌跡
「それであれが…っ!」
歩いている間中、彼女はこの建物の芸術性について語り続けていた。
あのステンドグラスがどうで、その絵画はどうとか。
「そして…あっ!」
「えっ…!?」
突然立ち止まり、振り向く。
よく前を見てて良かった。
ぶつかるところだった。
シャロンはぱちんと手を叩く。
「そういえばまだ名前しか名乗っていませんでしたわね」
コホンと咳払いしてにっこりと笑う。
「わたくしはシャロン・フローラルと申します。
フローラル家は由緒正しい家系ですのよ。
趣味は可愛いものを集めることと…えぇ。
そんなところかしら」
「あ、うん…よろしくお願いします」
再び歩き出す。
こんなにゆっくりしてて良いのか…
少し焦ってしまう。
「貴女は…あっ、ここが寮ですわ」
学校の角の扉。
息を呑むほどの星空の絵画。
星が煌めいている。
「この絵画のスピカを触れば扉が開く仕組みになっているのです。毎日少しずつ動くので気を付けてくださいね」
大きな星にシャロンがそっと触れる。
ゴゴゴと扉がスライドしながら開いた。
シャロンの後について中にはいる。
「ここが談話室です。
誰でも24時間使うことが出来ますわ」
広さは保健室の半分くらいか。
ソファーとテーブル。暖炉がある。
数人がソファーに座って談笑していた。
「で、こちらの階段が…」
「おいっ」
談話室を見てから奥の階段を上ろうとしたとき、誰かに話し掛けられた。
黒髪で短い髪がツンツンと立っている男子と、銀髪の男の子。
銀髪の男の子の方はシャロンと同じくらいの背で、年下にも見える。
ツンツンの方は何処と無く見たことあるような顔だ。
あぁ、もしかして…