イジワルな先輩との甘い事情


先輩が広げた足の間に、片膝をつくと、先輩の腕が背中に回りキュっと抱き締めてくれる。
あくまでも軽くそうされただけなのに、胸はその何倍もの力でギュっと締め付けられ苦しさを増す。

ドキドキドキドキ、先輩に触れられて喜ぶ鼓動がこれでもかってほどに気持ちを主張していた。

私を見上げた先輩が、優しく……でも妖美に微笑む。

「先輩、コーヒー……冷めますよ」
「うん」

腰の辺りに回っていた手が、そっと背中を上がってきて肩まで伸ばした髪に絡む。
腰に残っていた片手にぐっと抱かれて、ふたりの距離が一気に縮むと、見下ろす形になった私の髪が先輩の顔に落ちた。

髪を弄んでいた先輩の指が頬に触れ、流れ落ちる髪を耳にかける。
優しい指先にぞくりと背中を甘い痺れが走った。

「先輩……好き」

耳を撫でた指が首筋を辿っていくから、思わず頬を寄せると、先輩が困り顔で笑う。

「コーヒーが冷めるんじゃなかった?」

「後でいいの?」と聞く先輩に頷くと、頭を抱き寄せられてそのまま唇が重なる。
唇を柔らかく挟まれて、撫でられて……しばらくそうしてから入り込んできた舌がゆっくりと咥内をなぞる。

混じり合う体温。何度となく交わしている、キス。

「ん……っ」

背中に回った手が、身体を優しく撫でた後、膝に落ち、素肌を上ってきて。
スカートの裾からゆっくりとあがってくる指先に、重なる舌に、先輩の存在に。身体が震えた。

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