イジワルな先輩との甘い事情


「当たり前だけど、俺は好きじゃなければ抱かないよ」

続けられた言葉にポカンとしていると、眉をしかめて笑われた。

「もしかして、身体だけが目当てだとか思ってたの? 心外だな」
「ち、違……っ」
「それに花奈、身体だけで付き合うほどのスタイルじゃないでしょ。なんていうか、全体的に華奢だし」

クスクス笑われて、返す言葉に困る。
先輩の言う通り、私の身体に面白味がないのは事実だから。
言い方が柔らかくて悪意がないし、それにいつも大事に抱いてくれてるのは知ってるから、ショックを受けたわけじゃないけど……恥ずかしくて目を伏せる。

「でも、先輩、女の子に慣れてそうだから……」
「花奈はどこも頼りないから、いつも気を遣いながら抱いてるのに。
身体目当てだったらもっと適当に抱ける子選ぶんじゃない?」

ふっと笑った先輩に、胸がトクンと静かに弾む。
している会話が恥ずかしいけど……でも、嬉しくて。
いつも気を遣ってくれてたんだって思うと申し訳ないとも思ったけど……でも、嬉しかった。

「花奈はなんで俺が女慣れしてると思うの?」と聞いた先輩に視線を上げると、目が合うのを待っていたのか、先輩が続ける。


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