イジワルな先輩との甘い事情


「シャワー、使うなら自由に使っていいから。着替えは、俺の適当に着て」
「あ、はい……。先輩……あの、ちょっとコンビニだけ行ってきてもいいですか?」

シャワーを借りても、着替えを貸してもらっても……替えの下着がないと困る。
それに、歯ブラシとかも。
お泊りセットを持ち歩いていればこんな時困ったりもしないんだろうけど、生憎そこまで準備万端でもないから、こんな風な突然のお泊りは困る。
困っても、嬉しいんだけど。

なんとなく恥ずかしくなりながら聞いた私に、先輩は最初少し眉を寄せようとしたけど……。
勘のいい先輩は私の買い物したい物が何か分かったのか、しばらく考えた後、「いいよ」って言ってくれた。

「ただし、気を付けるようにね」
「はいっ」
「鍵はシューズボックスの横に置いてあるから」
「あ、はい。先輩、何か欲しい物はありますか?」
「大丈夫。花奈はさっきのだけじゃ足りないだろうから、何か食べる物も買っておいで」

「寝ていてくださいね」と言い残して、寝室のドアをパタンと閉める。
本当に寝ていてくれたらいいけど……なんとなく先輩は私が帰ってくるまで起きていてくれるような気もするから急ごう。

そう考えると、泊まるのって気を使わせちゃうだけになる気もしたけど、先輩が言ってくれた事だし、あまり深く考えない事にする。
せめて少しでも先輩が休めるように、早く買い物を済ませて頑張って看病しよう。

玄関の鍵を閉めてから、コンビニまでの道を急いだ。
足が軽かった。


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