イジワルな先輩との甘い事情
翌朝、ふと目が覚め、少しぼんやりしてからハッとしてベッドに目を移した。
昨日、コンビニから帰ってきてから、無事帰った事を先輩に伝えて、買ってきたパンを食べてからシャワーを借りた。
先輩の部屋でシャワーを借りるのは初めてじゃないけど、先輩が寝ているのに借りるっていうのは初めてだったから少し緊張しながらシャワーを終えて、歯磨きをして。
先輩の洗い替え用のスウェットに着替えてから、寝室に行くと、先輩は静かに寝息を立てていた。
だから、ベッドサイドに座って様子を眺めてたんだけど……そのうちに眠くなって、そこから記憶がない。
あのまま寝ちゃったんだ……!と、慌ててベッドを見たけど、そこに先輩の姿はなく。
ベッドにもたれかかるようにしていた体勢から背中を伸ばすと、先輩がかけてくれた物なのか、毛布が肩から落ちた。
それを拾おうとした時、ドアが開く音がして……振り返ると先輩が入ってくるところだった。
「おはよう、花奈」
「あ、おはようございます……。先輩、シャワー……」
昨日まで着ていたハズのスウェットじゃなく、ラフな普段着に着替えている先輩に聞くと、「ああ。今出たとこ」と微笑まれた。
「大丈夫ですか? 熱とかまだ……」
「さっき計ったけど、もう下がってたから大丈夫だよ。怠さも抜けたしね」
「でも……」
なんとなくまだ心配で、本当に大丈夫なのかなって思いながら見ていると、ベッドに座った先輩に笑われた。
朝日が、レースのカーテン越しに部屋を柔らかく照らす。
そのせいなのか、本当に回復したのか、先輩の表情もすっきりして見えた。
「今日は安静にしてるから大丈夫だよ。そんな心配なら見張ってる?」
「はい」って返事をするより先に、先輩の手が伸びてきて頬に触れる。
少しひんやりとして感じる指先にピクッて反応しながら、ああでも本当に熱下がったんだなって安心する。