イジワルな先輩との甘い事情
とりあえず、答えずじまいっていうのもおかしいしと曖昧な笑顔を浮かべて黙ると、和田さんは不思議そうにしながらも少し笑って、何も聞いてこなかったから、助かったと胸を撫で下ろす。
他の人たちはどうしてるんだろうと見渡すと、安藤さんは両隣の男の人に言い寄られてるみたいだったけど、本人は興味なさそうにあしらっていて、その態度は大丈夫なのかなって少し心配になった。
松田も、スーツ着てたところで効果はなかったみたいで、隣の女の子に腕をぎゅっと抱かれながらへらへら笑っていたけど、困ってそうだなーっていうのが分かった。
先輩は、と視線を移そうとした時、和田さんに「最近出来た、パンケーキの食べ放題の店知ってる?」と言われて止められる。
「あ、はい。この間行きましたよ」
「マジで? どうだった?」
「パンケーキもおいしかったし、トッピングがたくさんあって。あと、雰囲気もすごくよかったですしお勧めです」
「そっかー。雑誌に載ってんの見たんだけどさ、値段見て高いなーって思ってやめてたんだ」
「三千円ですもんね。確かに高いかなって思いながら行ったんですけど、全然そんな事なかったです」
日曜日に行っただけに、タイムリーな話題に嬉しくなって話すと、和田さんが聞く。
「食べ放題とかよく行くの?」
「はい。友達がそういうの好きなんで、よく誘われて。同期なんですけど、三人で行きます。
ひとり、男性なんで、甘いモノの食べ放題はいつも嫌そうにしてますけど、パンケーキはおいしいって食べてましたよ。
サラダっぽいトッピングもあったから」