イジワルな先輩との甘い事情


話題に出すくらいだから、パンケーキの食べ放題行きたいのかなと思って話していると、「へー。同期の男?」と聞かれる。

「はい。あ、あそこにいるスーツの人です。松田っていうんですけど」

指さした先にいる松田を見た和田さんは、少し驚いた感じで「へー。意外」と言った。

「ああいう感じの人とは付き合わないタイプかと思ってた。
柴崎さん、大人しそうだし、真面目そうだから」
「でも、松田もそんなに不真面目なわけじゃないですし。ほら、和田さんだって大人しそうな見た目じゃないけど、不真面目ってわけじゃないでしょ?」

「和田さん、本気の恋愛だけなんでしょ?」って聞くと、和田さんはなぜか少し驚いた顔をした後、嬉しそうに頷いた。
その表情の理由をなんでだろうと考えていた私に、和田さんがその答えを教えてくれる。

「俺、自分で好きでやってるとは言っても、こういう外見だしさ、本気だって言ったところで信じてもらえない事多いんだよ。
だから、なんかちょっと感動」

へへって嬉しそうに笑う和田さんに、私も笑顔を返す。

「松田も本当そんな感じなんです。見た目も軽いし性格もフランクだから誤解されちゃうけど、本当はいいヤツなんです。すごく」

と言ってから、おかしくなって笑みがこぼれた。

「でもやっぱり、松田って軽そうに見えるんですね。
今日、そう見えないようにって、スーツで来たのに」

クスクス笑いながら言うと、「随分仲いいんだね」と言われて、頷く。

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