イジワルな先輩との甘い事情


でも、着信履歴を開いたら、今の電話より前の時間に不在着信が二件ある事に気づいて、先輩の部屋に寄ろうと決めた。
心配してくれたのに顔出さないのは失礼だし、安藤さんとの勝負がつくまでは会わないって事も会って伝えようと思ったから。

会社から十五分ほど歩いたところで、見慣れたマンションに着いた。
先輩は会社に近い場所って事を第一条件に部屋探しをしたって言ってただけあって、本当に近くて少し羨ましい。

満員電車の話をすると、それ都市伝説じゃないんだっていつか言われたけど。
先輩は一生、満員電車に乗らないで欲しい。
あんな色んな人に密着されちゃうのは、嫌だから。

彼女でもなんでもないのに独占欲だけは一人前かそれ以上で、こんなの鬱陶しいかなぁと少し不安になった。
先輩はいつも私のくだらないとしか言えないようなやきもちも、笑って受け止めてくれるけど……。
さすがに今回の安藤さんとの勝負は嫌がられちゃうかな……?

いくら自分とは関係ないところで繰り広げられる戦いって言っても、鬱陶しいとか思うかな……。

そう考えて、大学の時の事を思い出した。
どういうわけか北澤先輩に構われるようになった私をよく思わない、他の先輩方が私を遠巻きに見ながら悪口を言ってきた事があった。
確か、大学二年生の初め頃だ。


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