~恋に気付くとき~
「母さんも、おばさんもうるさいよっ。」

トールちゃんは、そう言って
「結、ゲームやらせろ!」

と、あたしの手をひいて、リビングを出た。

あたしの部屋で、テレビにむかってゲームをするトールちゃん。


聞いてみようかなぁ?

遥香先輩のこと…。


ゲームに夢中のトールちゃんは、子どもみたいで可愛い。

「ねぇ、トールちゃん?」


「ん~っ?」


「遥香先輩って、トールちゃんの彼女なんでしょ?」

「……。」

聞いてないのか、相変わらずテレビ画面から目を離さない。


「ねぇってば?」


「あぁ?」
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