イジワルな旦那様とかりそめ新婚生活
少しは人の話を聞いてよ。

自分が幸せなら娘はどうでも良いのか?

やっぱりお母さんとお姉ちゃんは良く似てるよね。さすが親子だ。

刹那さんからお母さん達の旅行資金出したなんて一言も聞いてないよ。

私の行動を読んで先手を打たれた感じがする。

あの策士め。一体私をどうしたいの?

私……逃げ場がないじゃない。

そんな事を考えていると、玄関の方のインターホンが鳴った。

「刹那さん、忘れ物かな?」

いいタイミングだ。刹那さんに文句を言ってやらなくちゃ。

そう意気込んで玄関のドアを開けると、そこにいたのは刹那さんではなく雪乃さんだった。

「あれっ……雪乃さん……?」

思わぬ訪問者に唖然となる。どう応対したらいいの?

……この子、ちょっと苦手なんだよね。
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