イジワルな旦那様とかりそめ新婚生活
身代わりなんて……もうたくさん。

バイブの音が止むと、私はブチッとスマホの電源を切った。

これで、当分邪魔はされない。

でも、胸がズキズキ痛い。

心が傷つくと本当に胸が痛くなるんだ。薬を飲んですぐに痛みが消えればいいのにね。

でも……そんな薬は売ってない。

私は何かに取りつかれたように再び本を手に取った。

私は私の道を行く。もう現実の人なんて好きになるもんか。

相変わらず食欲はなく、たまにペットボトルのお茶を飲み、時間の感覚を忘れただ本を読み耽る。

玄関のインターホンが何度も鳴ったような気がしたが無視した。

誰にも会いたくない。

このまま一人にしておいて……。

やっぱり私の居場所は本の世界だけだ。

「本は私に嘘をつかないし。私を裏切らない」

夢と現実の間を行ったり来たり。

日付が何度か変わった事にも気づかず、私は微睡みながら現実の世界から逃げた。
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