イジワルな旦那様とかりそめ新婚生活
刹那さんから離れたくなかったなんて……。

それは、つまり彼の事が好きだって認める事になるわけで……。

絶対に駄目!裸見られるより恥ずかしいし、マズイよ。

刹那さんが納得しそうな、最もらしい他の理由は何かない?考えろ、桜子。

寝不足で食欲不振の理由……あっ‼

「それは、火傷したところが……痛くって……」

刹那さんから目を逸らして答えるが、声が尻すぼみになる。

お願いです。これ以上追及しないで下さい。

「その答えで納得しろと?考える時間を与えたのにお粗末な答えだな」

刹那さんがフッと笑う。

「お粗末って……」

まるでお馬鹿扱いじゃありませんか。

「こっちは遠く離れたラスベガスで連絡もつかず、心配したんだぞ。携帯の電源はオフにするし、家の電話も出ないし、右京が訪ねても居留守を使っただろう?」
< 216 / 288 >

この作品をシェア

pagetop