イジワルな旦那様とかりそめ新婚生活
部屋を出てエレベーターで二階に降りて庭園に向かうと、見慣れた人影が見えた。

「……久世さん?」

私の声に久世さんが振り向く。彼は紫の花柄の浴衣を着た美人と一緒だった。

「やあ、桜子ちゃん。今日はすごく素敵だね。刹那が見立てたのかな?」

スーツ姿の久世さんがにっこり微笑むと、隣の美人も軽く会釈した。

話は聞いたことないけど、久世さんの婚約者かな?

刹那さんも笑顔で軽く会釈するが、目が笑っていない。怖い‼

「ありがとうございます。はい……‼」

刹那さんは私の言葉を遮り、久世さんを冷ややかな目で見た。

「そうだ。俺が見立てた。ゆっくり楽しんで行ってくれ」

二人の間に火花が散ったような気がしたのは気のせいでしょうか?

刹那さん、怒ってる?
< 230 / 288 >

この作品をシェア

pagetop