イジワルな旦那様とかりそめ新婚生活
「ああ、そうさせてもらうよ」

久世さんが言い終わらないうちに、刹那さんは私の手を引いてこの場から離れる。

刹那さん、私がお姉ちゃんの情報を久世さんにもらってるって知ってるし、いい印象持ってないんだよね。

今、久世さんの話をしたら、ちょっと身体が強ばってる気がするし益々機嫌悪くなりそう。

刹那さんについて黙って庭園内にある小川に沿って歩いていくと、小さな黄色い光が見えた。

「あっ、蛍!」

一つ見えたと思ったら、二つ、三つっと光が増えていく。

そのうち数えきれないほど蛍が飛び交い、幻想的な光景が目の前に広がった。

「綺麗~。ずいぶんと素敵なライトアップですね」

私が刹那さんを見上げると、彼は柔らかな笑みを浮かべる。

どうやら機嫌が直ったらしい。

「今の時期はゲンジボタルが見られるんだ」
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