イジワルな旦那様とかりそめ新婚生活
「こんな都心で蛍が見られるなんて凄い」

田舎だったらわかるけど、東京でなんて。

凄いサプライズだ。

「蛍が何故光るか知ってるか?」

「いいえ。何で光るんですか?」

「オスがメスに求愛するかららしい。オスが強い光を放ってメスを見つけるんだ。メスは本来は弱い光だがオスの光を見つけると強い光を放つらしい」

「わあ、何だか素敵ですね。だからこんなに綺麗な光なのかな。光で会話してるんですね」

オスの蛍が必死に「結婚してください!」って言ってる声が聞こえてきそう。

二つの光が交互に光って見えるのは、もう結婚相手を見つけた蛍だろうか。

「そうだな。成虫は命が短いし命懸けのプロポーズだな」

「だから……儚い光に見えちゃうのも。今日はありがとうございます!」

私は刹那さんに向かってにっこり微笑む。

「感謝の言葉だけじゃ足りないな」

刹那さんの目が妖しく光ったかと思うと、彼は私に顔を近づけそっとキスをした。
< 232 / 288 >

この作品をシェア

pagetop