イジワルな旦那様とかりそめ新婚生活
痛い~!

もっと別の方法で励ましてよ。

久世さんからまた電話があってカフェを出ると、一台の白いアストンマーチが停まっていた。

久世さんらしい格好いい車だ。

私が車に近づくと、久世さんが助手席側のドアを開けてくれた。

「桜子ちゃん、早く乗って」

「はい」

久世さんに促されるまま助手席に乗り込むと、彼は車を発進させた。

「昨日の夜、日本に戻ってきたらしいんだけど、刹那は何か言ってた?」

「……いいえ」

昨日の夜いつも通り一緒に夕飯食べてDVD観たけど、お姉ちゃんの話なんて一言も出なかった。

久世さんがお姉ちゃんの帰国の事を知ってるなら、当然刹那さんだって知ってたはずでしょう?

どうして私には何も言ってくれないの?
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