イジワルな旦那様とかりそめ新婚生活
「あら、桜子。久しぶり。私の身代わりご苦労さま」

身代わり……。嫌な言葉だ。

お姉ちゃんは私を見ても余裕の表情でクスッと笑うだけ。

そんなお姉ちゃんの態度を腹立たしく思った。

「何で戻ってきたの?」

「何でって気が変わったから?桜子も嬉しいでしょう?こんな無愛想なメガネ男と結婚しなくて済むんだもの。感謝してよね」

お姉ちゃんはにっこり微笑む。

刹那さんは無表情で何も言わない。

何が「感謝してよね」っだ!

「勝手すぎるよ!お姉ちゃんはいつだってそう。自分さえ良ければ人が傷ついてもどうでもよくて。少しは私の気持ちを考えてよ!私はお姉ちゃんの玩具じゃないんだよ!もう私を巻き込まないで!」

私は一気に捲し立てると、持っていた指輪をバンとテーブルに叩きつける。

これで刹那さんとの偽装結婚も終わりだ。

「お幸せに!」

そう言い残すと、溢れでる涙を手で拭いながら走ってラウンジを出る。
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