イジワルな旦那様とかりそめ新婚生活
お姉ちゃんと結婚しない?

何それ?わけわかんない。

「だって……一ヶ月以内にお姉ちゃんが戻ってきたのに……」

「俺が言った事を忘れたか?俺は「君の望み通りにしよう」、そう言ったんだ」

そんな事言ったっけ?

お姉ちゃんが戻ってくれば、お姉ちゃんと結婚じゃないの?

私の望み通りって……。

「……ごめんなさい。意味がわかりません」

私は両手を挙げて降参のポーズをする。

「全ての選択権は桜子にある」

刹那さんは私の顔をじっと見つめながら真摯な目で告げる。

「私に選択権?」

そんなものあったっけ?全部私に不利な条件ばかりかと……。

私が首を傾げると、刹那さんがフッと笑った。

「散歩でもするか?外の空気を吸いに行こう。歩けるか?」

刹那さんが私に手を差し出す。私は少し躊躇ったが、素直に彼の手を取った。
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