イジワルな旦那様とかりそめ新婚生活
「ただの食欲不振じゃない?まさか私……癌なんでしょうか?」

俺の言葉を遮り、桜子が涙目で勝手に結論を出す。

……何でそうなる。

「こら、早合点するな。癌なんかじゃない。お前、ひょっとして妊娠したんじゃないか?」

「妊娠……?」

桜子はまるでその言葉が異国の言葉かのように首を傾げる。

だが、数秒沈黙した後、キャハハと声を上げて笑い出した。

「私に限ってそんなわけはないですよ、刹那さん。栄養ドリンク返してくださいよ」

私に限ってって……。

一体どこからその自信がくるんだ?

可能性あるだろう?

桜子の言葉に呆れる。

「駄目だ。栄養ドリンクにはアルコール成分も入ってるし飲ませるわけにはいかない」

「え~、でも飲んだら元気になれるのに」

桜子は膨れっ面になると、クッションを抱えてソファーにゴロンと横になる。
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