【完】GUILTY BOYS -囚ワレノ姫-
佐原くんと打ち解けるという行為は、僕に新しい世界を見せてくれた。
「日下ー、この間言ってた漫画の最新刊出たから買ったんだけどまた貸そーか?」
「え、ほんとに?」
「うん。お前に貸しても、ちゃんと返ってくるし扱い丁寧だから」
「ありがと……!楽しみにしとくね!」
まず、僕にたくさん友だちができた。
主に佐原くんの周りにいた人たちばかりだけど、同じクラスの子も話しかけてくれるようになった。
洋書や洋楽が好きだけれど、最新の漫画やアニメも好きな僕が意外だったらしい。
意外にも趣味が合う子がたくさんいて、僕と一線引いてた子たちが仲良くしてくれたんだ。
そして、それは男子だけに留まらなくて。
「日下くーん」
「うん……?」
「これ調理実習で作ったお菓子なんだけどね?
こっそり残しておいたから、よかったらどうぞ」
──女の子たちからも、話しかけられることが増えた。教室の隅で暗かった僕は、気がつけば教室の中心にいて。