【完】GUILTY BOYS -囚ワレノ姫-
恋愛経験は、ゼロじゃないのに。
「っん……い、ずみ……」
慣れてないみたいに、俺に縋ってくるから。どうしようもない。さらに深く口づけることしか出来なくて。
「っ、手加減してよ……」
ようやく離れた俺に、いつもと変わらない口調に戻った羽歌が言葉を放つ。
酔い、醒めたのか。
「生憎、手加減する余裕なんてないんだよ」
好きなヤツに求められて、止められるヤツなんていんの?──羽歌はきょとんとした顔をすると、少しして。
「和泉って、私のこと好きなの?」
今更感満載の質問をしてきた。
「は?今更?」
「だって、羽紗のこと好きなんじゃないの……?」
「なんでそうなるんだよ」
俺はお前しか見てねぇよ、と言えば、羽歌の頬がほんのりと色づくから。思わず、それにドキッとしてしまう。