【完】GUILTY BOYS -囚ワレノ姫-
──羽歌は、どちらかといえばサバサバしてるほうだと思う。
「あ、私……
いま岬と付き合ってるし、中途半端なことしておいて悪いんだけど、もうちょっと待ってくれる?」
晩飯のビーフシチューを食べながら、目の前の羽歌が思い出したようにそう言った。
ちなみにビーフシチューは羽歌の好物だから、笑顔を滲ませて「ありがとう」と言ってくれて。思わず軽くキスした。顔赤くしてたけど。
「ん、そうだな」
「岬になんて言おう……」
岬と付き合ったばかりだからか、羽歌は真剣に悩んでいて。思わず小さくため息が漏れた。
「和泉……?」
「いや。羽歌のこと困らせてるなって思っただけ」
「私がフラフラしたのが悪いのよ……。
恋愛もしたくないって言ったくせに、こうやって和泉のこと選んでる」
「俺のこと好き?」
「……聞かないで」
視線をそらす羽歌は、純粋にかわいくて口元が緩んでしまう。俺、さっきから羽歌のことかわいいと思い過ぎじゃね?
「咲乃と付き合ってた割に、
すげぇ恋愛初心者みたいだよな」