【完】GUILTY BOYS -囚ワレノ姫-
「〝乃唯〟って、
心響の総長のことだよねー?」
後ろからそんな声がした。
振り返ると男が3人いて。「どちら様?」と言いながら羽歌が私を庇うように後ろに隠す。
「そんなのいいじゃん。
で、お姫さまってどっちなの?」
嫌な予感がして「わたしです」と言いかけると、羽歌に睨まれた。それに押し黙れば、羽歌が「私だけど」と返す。
なんで……?羽歌はいま心響に関係ないんだから、そんな嘘をつく必要はないのに。
「あ、やっぱりー?
ロングって聞いてたからそうだと思ってたけど」
にやっと笑う男たちに、頭の中が真っ白になった。気持ち悪い。それだけを真っ白になった頭の中で鮮明に感じる。
「羽歌、」
「大丈夫よ。──なんの用件かしら」
「んー?もちろん心響の奴らがムカつくから、姫を使ってちょっとイタズラしてやろーかなって」
「あなたたちのトップって、
梓の元親友なんでしょう?」
ふ、と。恐怖なんてどこにもないみたいに微笑む羽歌の手を握る。──だけど余裕は外面だけだったようで、握った手はわずかに震えていた。
「知ってんのかー。それなら話は早いな。
俺らと一緒に来てくれるだろ?」