【完】GUILTY BOYS -囚ワレノ姫-
「わたしだって、いい加減心の準備ぐらい出来てるわよ……。
なのに、和泉が何もしてこないから、相談したらメイクしてみたら?って言われたんだもの」
……ちょっと、やばい。
「羽歌」
「なに……?って、きゃっ……」
すげーニヤける。そんなこと言われたら我慢できねぇじゃん。せっかく飯まで準備してくれたのに。
「待っ、いずみっ」
「だっていいんだろ?」
羽歌を抱き上げて、リビングの電気を消すと、真っ暗な廊下を慣れた感じで進めば、羽歌が焦ったように俺に声をかけてくる。
「いや、確かに言ったけど……っ」
「ならいいだろ?」
「まさか今すぐだなんて、っちょ……」
入ってベッドに直行すれば、羽歌をそのままベッドに沈めた。やめる気がないのを理解したのか、羽歌は小さくため息をついて。
「……好きにしてよもう」
俺がそこでやめてやるわけもなく。
そのまま俺が羽歌に溺れるのも、羽歌が俺に溺れるのも、時間の問題だった。