【完】GUILTY BOYS -囚ワレノ姫-
──……
「マジで起きたらキレられそう……」
腕の中で、シーツにくるまったままの羽歌がスヤスヤと気持ちよさそうに眠ってる。
かわいらしい寝顔に愛しさが湧いてきて、優しく髪を撫でながらつぶやいた。
いや、だって。
全然遠慮とか出来なかった。
俺も記憶が曖昧になってしまうほど、ひたすらに羽歌を愛したことしかわからない。たぶん、途中から俺の方が溺れきってた。
ようやくさっき羽歌が眠りについたところだけど、寝る直前も恨めしそうにしてたから、確実に怒られる。
でも、まぁ。
「幸せなんだよな、それでも」
羽歌をようやく自分のものに出来た分だけ、幸せで。
さっき羽歌に「愛してる」と囁いたとき、羽歌は無意識かもしれねぇけど「わたしも」と返事した。
それが何よりも嬉しくて。
「怒られてもいいか」
羽歌の寝顔をしばらく見つめながら、
俺は〝あの日〟の会話を思い出していた。