【短】流星☆BOY〜星に願いを〜
「悪いな、リュウセイ」

 すこし寂しそうに笑うベティに、あたしはようやく現状に気がついた。


「リ、ゲル?」


「……ヒメリ、ごめんなさい」

 聞き返したあたしに、リゲルはベティに寄り添う。

そして、何も言わず二人は光を帯びはじめる。


「バカバカ!もっと、たくさん話をするっていったじゃないか!」


 まるで子供のようなリュウセイ。

リゲルは一歩近づいて紅い星が残る右手で、その涙がこぼれていた頬を包み込んだ。


「こうなるから、先に戻っていようと思ったんだけどな」


 リゲルが困ったように笑うから、そうならないようにリュウセイは耐えるしか道はない。

リュウセイは、ぐっと涙をこらえてギリリと奥歯を噛み締めていた。


 寂しいと体すべてで訴えているのが、あたしにはジンジンと身にしみてくる。

思わずリュウセイの震える拳をそっと握っていた。




 そして今度は二人の体が、一週間前のリュウセイと同じように強い光を覆い始める。


「リゲル、ベティ!」


 ただそれしかいえないでいたリュウセイ。

でも、想いは確かに届いたはずだ。




 ……―幸せそうに二人は笑ったから。


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